citta' di colore

“The Power of Landscape & Color”

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九州色彩ネットワーク 総会 in福岡 〜其の参〜



6月に行われた九州色彩ネットワークの総会。
その後に行われた色彩セミナーのテーマは、
『鋭い色彩VS鈍い色彩、挑戦と妥協』。

だったのですが、
内容は、建築デザイン一辺倒で(苦笑)、
色彩に関する話は、ほとんどありませんでした(笑)。

まあ、講師の方の専門が建築なので、
仕方ないのかもしれませんが…

そうは言っても、話自体は面白かったので、
簡単にご紹介しておきます。
テーマは、“デザインの偽装”についてです。



一言で言うと、
“デザインの仕方により、現実を忘れさせる。本質を伝えないようにする”
ということになるのでしょうか。

例えば、
公共施設の建築デザインを、
ディズニーランド風にする。
そうすると、
その公共施設が本来住民に伝えなければならないメッセージが、
伝わらず、その代わり、
本質をぼかした形で、公共施設が住民と接するようになる。

ゴミ処理場をディズニー風に設計したとすると、
ゴミ処理場が、あたかも楽しい施設のように錯覚し、
ゴミ処理場を見ることにより、
ゴミ問題などを住民に意識させることがなく、
代わりにゴミ問題を意識させないようにしている。

つまり
“日常空間”である公共施設が、
デザインにより、“非日常空間”を造り出すことになり、
その結果、本質が隠されることになる。


物事の本質を伝えなければならない公共施設が、
非日常空間を演出し、その結果、


“現実を偽装している”。


すべての公共施設が、“意図的に”
ディズニー風に設計されているとは思いません。
むしろ、こういうディズニー風の大半の施設は、
行政が、住民に“親しみやすいように”設計しているものと
思われます。
ゴミ処理場を、ディズニー風に設計することも、
そういう意図だろうと思います。

しかし、そのことが結果的に、
住民から、ゴミ問題を考える機会を奪っていることにもなりかねません。
ゴミ処理場は、ゴミ処理場らしく。
そうやって、物事の本質を伝えていくことも必要。


概ね、こういう話だったように思います。


逆に考えると、
デザインを利用して、意図的にある方向に、
住民を導くことも可能となります。
これらは、“したたかなデザイン”と言われるようです。

ちょっと怖い話ですが(苦笑)。



話は変わりますが、講演の中で、
“The Power of Place”(場所の力)
という話が出てきました。
簡単に説明すると、
“そこにあるから意味がある”。

そういう観点から考えると、
真上を高速道路が走っている日本橋の景観問題。
高速道路を撤去するのか、それとも日本橋を移築するのか、
議論がなされてますが、
日本橋の歴史的な意味などを考慮すれば、
高速道路の撤去、という結論になるのでしょう。


偽装するニッポン―公共施設のディズニーランダゼイション
偽装するニッポン―公共施設のディズニーランダゼイション
中川 理


日本色彩学会 | comments(4) | trackbacks(0)

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COMMENTS

Posted by トロ  at 2006/07/31 6:33 PM
“現実を偽装している”
なるほど〜!
そういう考え方もあるんですね〜!
確かに、問題を隠していると言えますね。
でも、美しいデザインにすることって
やっぱり大事だと思うんですけどね〜・・・
Posted by らすから/管理人  at 2006/07/31 10:06 PM
“現実を偽装するデザイン”とは、
ちょっと穿った見方かもしれませんが、
意外に、
こういうしたたかな戦略を描く行政も
あるかもしれません。

少し、警戒してるぐらいが
ちょうど良いのかもしれませんね。
Posted by うさみ  at 2006/08/02 10:55 PM
デザインでも色でも、そこにそれを配置したデザイナーや施工者の意図はなんだろう、と考え出すと面白いですよね。
Posted by らすから/管理人  at 2006/08/05 3:35 PM
今回はデザインの話でしたが、
色彩も、デザイン同様に、
意図的に使用されることはありますよね。
信号機の赤、青、黄など、
まさにその良い例かもしれません。

僕は、絵画をよく観ますが、
絵画にも意図が隠されていることが多く、
そういう“謎解き”も、楽しみの一つです。

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