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“The Power of Landscape & Color”

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想望

昨年の大河ドラマ『龍馬伝』。

秋口から見ましたが、印象に残ったのが、
流れるBGM。
シーンとマッチしていて、と言うよりも
とてもいいメロディでして、
さらにシーンが映える、という感じでした。

その中でも特に好きだったのが、
「想望」という曲でした。












私がいた避難所には、原発の関係で避難してきた
双葉郡の人がほとんどでした。

原発ができて40年になるこの地域では、
他地域よりも、原発に対する信頼度が
高いような気がしました。
私なんかは、とても危険な感覚を持っていたのですが、
皆さんは、東電や国の教育が功を奏したのか、
危険という意識が薄い印象を受けました。

ですから、国から避難を命じられても、
長期避難ではなく、一時的な避難を考えておられる方が、
非常に多かった。
だから、貴重品を持ち出してきた人が、
あまり多くはありませんでした。

これが、私が避難者の方からお話を伺った際の、印象でした。



だからこそ。

皆さんは、一時帰宅について、
非常に強いこだわりをお持ちでした。
貴重品だけではありません。

仏壇から、位牌や遺影の持ち出しを願う人が、
とても多かった。
私の住む地域で同じような状況になった時、
果たして、ここまで位牌の持ち出しにこだわる人は、多いだろうか。
同じく福島に行ったメンバーとこの話をした時、
皆の結論は、一致しました。
「私たちの街だったら、ここまでこだわらないのではないか。」

この地域というか、福島の方は、
ご先祖を敬う傾向が、強いのかなと思いました。

私は、アラフォー世代ですが、
アパートに小さな仏壇を置いており、
毎日ご飯を供え、
朝晩に必ず拝んでいます。
この世代の中では、
先祖を敬う気持ちは強いと思いますが、
それでも、そこまで位牌の持ち出しなどにこだわらないと思います。
ですから、この福島の方のお話を聞き、
見習いたい、
そう思いました。



そんな双葉郡の避難者に対し、
私が福島に滞在期間中に、政府による2つの失言がありました。

一つは、海江田経産相が、
4月11日をめどに一時帰宅を検討、
とうっかりしゃべってしまい、
それがすぐに報道されたのですが、
翌日に否定されました。

その後首相は、
今後2,30年は住めないだろうという見通しを
政府関係者に語ったと報道もありました。

政府は、これらの発言は事実でないと、
すぐに否定しました。

しかし。
この発言が事実かどうかは問題ではない。
今は、
我が街に戻ると言う気持ちだけが、
避難者にとって強い支えである以上、
それをへし折るかのような
無神経な言動は、慎んでもらいたい、ということだ。



こんな状況の中でも、皆さんは、一時帰宅はもちろんのこと、
我が街に必ず戻る、
という強い気持ちをお持ちでした。
部外者である私も、何とか皆さんの願いが叶うように、と
祈る気持ちでボランティア活動をしていました。



私が福島を離れてから、2つの大きな出来事がありました。

東電から、事態の収束に向けた工程表が、
発表になりました。
この工程もさることながら、
その後どうなるのか、という見通しは不明でした。

一時帰宅が実現しない中で、
双葉郡の多くが警戒区域に設定され、
原則立ち入り禁止となりました。

避難者の皆さんの気持ちが、心配でした。
心が折れていないかと。




避難所で出会った人の中に、福島第1原発で、
必死の作業をしている作業員の方がいました。
1週間単位で、交代で第1原発に向かい、
作業を行っているとのことでした。

体を気遣う私に対し、その作業員の方は、
「私たち以外に、この原発を抑えられる人間は、いない。
 私の体は、どうなってもいい。
 皆が、我が街に戻れるように頑張りたい。」
と仰っていました。
双葉郡の避難者の方が、我が街に戻れるように。
そのことを想い描きながら、
見えない恐怖と闘っておられるということでした。




この双葉郡に限らないが、
今回の被災地には、
桜が名所である市町村が大変多いことを知った。

避難者の方にお話を伺うと、
皆さん一様に、遠くを見るかのような視線で、
我が街の桜について、
話をしてくださいました。

ちょうど滞在期間が、桜が開花を迎えたときでしたから、
余計に、その想いが募ったのかもしれません。

そして、皆さんに言われました。
一度、我が街に観に来てほしい、と。

もちろん、約束をしました。
必ず、観に行きます、と。



私は、我が街の桜が咲き始め、満開になる前に、
福島に出発し、福島の地で、
今年2度目の、桜の開花を迎えることになりました。
そして、満開を観ることなく、
私は福島を後にしました。
我が街に戻ってきたら、既に葉桜の状態でした。

今年は、とうとう満開の桜を愛でることはできませんでした。



でも、いいんです。

必ず、双葉郡で、満開の桜を観ますから。
それも、近い将来に。




「想望」とは、慕い仰ぐこと。

そして、

心に思い描いて待つこと。



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